薬膳と陰陽五行説①

こんにちは。
トロントで中医師、鍼灸師をしている、Yukiです。

今日は、中医学のお話をする上で欠かせない、陰陽五行説のお話です。
木、火、土、金、水
この字を見て、何を思い浮かべましたか?

まずは、漢字そのままのWood, Fire, Earth, Metal, and Waterですよね。
または、木曜日、火曜日、土曜日・・・?
それとも、木星、火星、金星・・・?

陰陽五行説とは、中国の春秋戦国時代に生まれた、陰陽説と五行説が
結びついた思想です。

最初の記録は、紀元前400年前後になるそうですが、
紀元前1000年前後に成立したと言われる陰陽説とくっついて、
その後、宋の時代(960年頃 〜)に医学に取り入れられ始めたそうです。

陰陽説って、なぁに?

陰陽説とは、世の中の全ての物事を陰と陽に分ける考え方です。
二つは相対的で、一つでは成り立たず、二つが対立し、依存し合って
存在している、という思想です。

例としては、昼(陽)と夜(陰)、動(陽)と静(陰)などですね。

その、お互いに存在しなければ成り立たないという考え方に、
中医学や薬膳の世界では、季節や食べ物の性質(温める性質、冷やす性質)
体質や臓器など、様々な事象をあてはめて考えているのです。

五行説って、なぁに?

三省堂の大辞林第三版によると、
「中国古来の世界観で、木・火・土・金・水の五つの要素によって、自然現象、社会現象を解釈する説」
とあります。

また、小学館のデジタル大辞泉では、次のように説明されています。
「自然も人間・社会も木・火・土・金・水の五つの元素の一定の循環法則に従って変化するという説」

つまり、五つの元素は全て、お互いに影響し合っている、という考え方ですね。

東洋医学では、この五つの元素に、季節、色、臓器、器官、感情、味覚などを
あてはめて、陰陽説と合わせて使われます。

十二支、暦、四柱推命占い、桃の節句や端午の節句、
贈り物などを結ぶ水引、土用のうなぎ・・・
これらはすべて、実は、陰陽五行説の考え方に基づいたものなのです。

聖徳太子の制定した十七条の憲法、冠位十二階も、陰陽五行思想が
大きく反映されているとされます。

こんな風に聞くと、私たちの文化や生活って、
陰陽五行説と深い関係にあるんだなぁと思いますね。

東洋医学も、陰陽五行説の考え方が大きく反映されており、
東洋医学思想に基づいた食事である薬膳もまた同じです。
次回は、薬膳の考え方を、具体例と一緒に、わかりやすくお伝えしていきます。
See you soon!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です