秋の薬膳食材 カボチャのお話
トロントも急に涼しくなり、すっかり秋らしくなってきました。
サンクスギビングやハロウィンがある10月は、町中でカボチャをみかけますが、今回はそのカボチャのお話です。
カボチャは、トロントではスクワッシュ、と呼ばれていて、ズッキーニを指すサマースクワッシュと、カボチャやバターナッツスクワッシュなどのウインタースクワッシュがあります。
ウインタースクワッシュは、夏の終わり頃から収穫され、2〜3ヶ月保存され、より甘みを増して、10月頃からちょうどいい食べ頃になります。
私たち日本人に一番なじみのあるカボチャ。
こちらで見かける日本のカボチャにいちばん近いのが、
butter”cup” squash
で、スーパーでも手に入ります。
よく似た名前の
butter”nut” squash
は、ひょうたん型のもの。こちらも、よく見かけますね。
冬至にカボチャを食べると、風邪をひかない
これは、カボチャが長期間保存できる保存食であること。そして、夏の強い太陽やエネルギーを浴びて、栄養をたっぷり蓄えたカボチャを冬に食べる事で健康になると考えた、先人の知恵から言われているようです。
今では栄養学的に、カボチャに含まれるビタミンAが粘膜を保護し、抵抗力をつけ、風邪の予防に効果があるといわれていますので、先人の知恵が正しかったことが証明されたと言えますよね。
栄養学においても、ビタミンや繊維質が豊富なカボチャですが、東洋医学でも、体を温め、消化機能を助け、胃腸を丈夫にし、滋養強壮にとても効果のある食材です。
先述の通り、粘膜を保護する働きもあり、のどや鼻の粘膜の回復に効果があります。血管壁や皮膚を強くする効果もあり、動脈硬化や美容にもうれしい食薬です。
ただ、ストレスなど溜めやすい方は、補う力が強いカボチャを食べ過ぎると、胃腸に溜まり、胃が重く感じたりするので、気を巡らせる効果があるシナモンやターメリックなどのスパイスと一緒に調理するのがおすすめ。
気血を巡らせるタマネギを炒めて、それをカボチャと一緒に茹で、ブレンダーなどでスープにするのもいいですね。
次回は、このカボチャの種を使ったスナックの作り方をご紹介します。